【2022年3月11日】東日本大震災から11年。3.11福島県浪江町ツアーを開催

震災から11年。2022年3月11日から1泊2日(2泊3日)にて福島県浪江町を巡るツアーを開催しました。
募集記事詳細:【3月11日】ふるさと浪江で甦る海の男酒!酒造りで繋ぐ思いに触れる旅

もともと2020年に最初の企画をしましたが、コロナの影響によりやむなく中止。2021年は、オンラインツアーに切り替えて開催となり、3年目にしてようやくリアルツアーとして実現しました。

今回も多くの人との出会い、繋がりが生まれたとても良いツアーになったと思います。

■ツアー1日目

福島駅で鈴木酒造の鈴木大介さんらと合流し最初に向かったのは、東日本大震災・原子力災害伝承館。震災により起こった福島第一原発の事故について、資料や写真の展示、語り部によるお話などを聞くことができる施設です。

浪江町の消防団員として地域の方の避難誘導にあたっていた大介さんから当時のお話を伺いました。

大介さんから説明を聞く参加者
当時のものがそのまま展示されている
汚染土を入れるフレコンバッグ

続いて訪れたのは、浪江町請戸地区にある柴栄水産さん。津波の被害で建屋のすべてを流出しましたが、震災から9年後の2020年4月に同じ請戸地区に加工場と店舗を建築して営業を再開。「地元浪江町請戸漁港で水揚げされた水産物を全国へ!」をスローガン掲げ奮闘しています。

社長の柴 孝一さん
どれも新鮮で格安

店内には、請戸であがった新鮮な海の幸が並んでいましたが、どれも東京で見るより新鮮で格安です。ツアーが始まったばかりなのに、皆さん爆買してました。笑

到着早々に爆買するお客さん笑

息子の強さんが大介さんとタッグを組んで魚とお酒のセット販売なども行っています。

大介さんと柴 強さん

続いて訪れたのは、東日本大震災の慰霊碑が建立されている大平山霊園。高台から請戸地区を見下ろしながら当時の状況を話してくれました。「海のそばで地震が発生したら助かる方法はただ1つ。とにかく逃げることです。」と津波の恐ろしさを体験した大介さんの話に一同聞き入ってしまいました。

大平山霊園

浪江町で酒造りを再開させ、地元の人たちの期待を背負っている大介さんは注目の的。この日もマスコミのカメラが同行していました。

海の方向を望む
大平山霊園から見た請戸

大平山霊園から当時大介さんたちが命からがら避難をしてきた道を逆方向に進み、鈴木酒造店のあった場所へ。毎年少しずつ整備が進み酒蔵のあった形跡は残されていません。どこが跡地なのか正確な場所もわからなくなったそうです。

手作りの資料で説明する大介さん
現在の鈴木酒造店跡地
2021年3月の鈴木酒造店跡地

震災発生時刻の14時46分。役場のアナウンスの後、サイレンの音が響き亡くなられた多くの方々へ黙祷を捧げる。

黙祷を捧げる
2020年に漁を再開した請戸漁港

続いて、先人の丘を訪問。10年にわたって手付かずだった請戸共同墓地の跡地に、町の追悼の場「先人の丘」が完成しました。「先祖が心安らかに眠れるようにしてほしい」との住民の要望を受け、町は墓石を集めて土で覆い直径40メートル、高さ5メートルの小高い丘を造ったそうです。

先人の丘

今の請戸地区を見ることができて、とても良かったと参加者の皆さん。この現実を風化させないことが今後の課題だと感じました。

続いては、鈴木酒造店が震災から10年目に浪江に戻り酒造りを再開させた蔵を訪問。道の駅に併設しているので、訪れた人が酒造りに気軽に触れられる施設にもなっています。

有料試飲コーナーもあります
のぞき窓から酒造りを見学できる

今回コロナの影響もあり蔵の一部だけをご案内いただきました。

ロケットのような精米機

浪江の蔵では、地元産のコシヒカリでの酒造りにこだわっているそうです。浪江町の中で人やモノ、お金が回るように考えているんだと思いました。

精米したお米を見せる大介さん
地元の人々から贈られた大漁旗

1日目の工程を終え宿泊先のいこいの村なみえへ。夕食は、大介さんを囲んで磐城壽を飲みながらの懇親会。

まず献杯からスタートです
なかなかお目にかかれないレアな磐城壽も

郡山出身のシンガーソングライター伊東和哉さんも駆けつけて、大介さんが醸す日本酒「甦る」とのコラボレーション曲を披露していただきました。

熱唱中の和哉さん
鈴木酒造店長井蔵の甦る

■ツアー2日目
福島県にある飯坂温泉へ。浪江から福島市内への道は、震災翌日に大介さんや多くの避難者で渋滞した道でした。「道沿いにある小学校のトイレは断水で流れないところへ多くの人が用を足しに入り、本当に悲惨な状況でした。」参加者の皆さんは、当時の話を聞きながら車窓からの景色を眺めていました。

飯坂温泉にある祭屋湯左衛門は、大介さんの同級生が経営をされている温泉宿です。オール福島市産の原料で作られた日本酒「摺上川」の差し入れをいただきここでも乾杯!

昼から豪勢な感じ
昼から乾杯
常務の柳沼さんと大介さん
宿のロビー

飯坂温泉でランチと温泉を楽しんだ後は、山形県長井市へ。大介さんが避難先として移り住み、最初に酒造りを再開した場所です。まず最初に長井市で取り組まれているレインボープランについてお話を伺いに地元農家の竹田義一さんを訪ねました。
※長井市では、レインボープラン(台所と農業をつなぐながい計画)に取組んでいます。

ハウスの中でお話を聞く皆さん

旅の最後は、鈴木酒造店長井蔵を訪問。この日は、ちょうど大吟醸の袋しぼりが行われていました。それ以上のことは、ここには書けませんが、とても素晴らしいお酒に仕上がったようです!

鈴木酒造店長井蔵
鈴木酒造店長井蔵の前にて
仕込み中の蔵内を見学

以上、1泊2日の鈴木大介さんと巡る福島県浪江町と山形県長井市の旅は終了しました。ご参加の皆様お疲れさまでした!

ここから先は、居残り希望者のみのツアー延長戦です。長井市内にある中央会館(通称セントラルエクスタシー)で開催された今年の甦るのお披露目会「きびたき長井甦るの会」に参加をさせていただきました。

福島から長井へ避難をしてきた人々、その皆さんとご縁のある方々が集いました。昨晩、歌ってくれた伊東和哉さんをはじめ、ロックバンドHEATWAVEの山口洋さんも駆けつけてとても盛り上がりました。

HEATWAVE 山口洋さん

■ツアー3日目
翌日、まだまだ雪の残る畑に出て今のシーズンしか味わえない絶品野菜を収穫しました。

春はすぐそこ?

雪国でもほんの一部の地域で栽培されている「雪の下キャベツ」。秋に敢えて収穫せず雪解けの時期を待ってから収穫する雪の下キャベツ。寒さから身を守ろうと糖度を増し美味しいキャベツになるそうです。

農家の新野さん
キャベツを掘り出し中
キャベツを発見

最後のランチは、地元で人気の千利庵さんへ。メニューは、もりそば700円とおかわり500円のみ。地酒を楽しみながらのお蕎麦は最高ですね!

以上、2泊3日の皆様も含めてツアーを終了しました。ご参加をいただいた皆様、ご協力をいただいた皆様、誠にありがとうございました。

実は、私自身も東北の太平洋側の被災地域へ何度かお伺いしておりますが、どこか場違いな、自分なんかが行って良いのか。と思っているところがありました。今回、鈴木大介さんと浪江町、山形長井市を回らせていただき、もっと多くの方に来てもらい、見てもらう必要があると感じました。

来年もまたツアーを企画したいと思いますので、皆様、是非ご参加ください。 あうたび 唐沢

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