徳島県出身の齋藤マサです。
先週末、徳島での半熟ツアーを開催しました!あうたびとしては、四国というか西日本初開催となりました。(半熟ツアーの説明は、最後に記載。)
今回はツアー本体としては1泊2日、一部前泊組の参加者・スタッフは2泊3日の旅でした。
半熟ツアーとはいえ、完熟レベルの盛り沢山の内容で、初めての訪問先でも温かく受け入れていただき、とても充実した旅になりました。参加者のみなさんには、徳島のことをよく知ってもらう機会となり、好きになってもらえたのではないかと思います。
【 0日目 】
羽田から徳島まで、飛行時間は1時間弱。意外と近いんです。前泊組は15時前に徳島阿波おどり空港に到着。
さっそく徳島市の中心部に移動し、「ひょうたん島クルーズ」へ。徳島市の中心部は縦横に川が流れていて、いくつもの島で構成されています。そのうち徳島駅を含む最中心部が川に囲まれたひょうたん形の島になっていて、それを周遊するのでこう命名されました。
この時は潮位が高く、下をくぐれない橋があるため、残念ながらひょうたん島を一周できませんでしたが、橋の下スレスレをみんなで頭を下げてくぐるのは、スリリングな面白体験でした。
今まで頭をぶつけた客はいるのか、との参加者から船頭さんへの質問に、「あるある。ほんときの船頭は上にごっついしぼられたでよ。わいはしぼられたぁないけん、絶対に頭あげんとってよ!」という阿波弁の返答に一同爆笑でした。
クルーズの後は、船からも見えた徳島市のシンボルでもある眉山(びざん)山頂へ。ここからは大河吉野川含め徳島市内はもとより、鳴門から淡路島、時には和歌山まで一望できる絶景スポットです。
夜は徳島ナイト呑むたびを徳島駅前の人気店「安兵衛」で行いました。グレ(メジナ)の刺身、うつぼの唐揚げ、なまこ、鯨カルビ、ちりめんなます などの東京圏ではなかなか食べられないお料理と、割安な徳島の地酒で乾杯!
徳島ナイト呑むたびの中〆はもちろん徳島ラーメン。駅前から15分ほど歩いて有名店「ラーメン東大」へ。見た目 すき焼き のこげ茶色スープに、生卵入れ放題!
その後は宿に戻り、部屋飲み2次会でしたが、朝から盛り沢山のツアー本番に備えて、珍しく日付変わる前には就寝しました。
【 1日目 】
◎斎藤酒造場
まだツアー本番は始まりません。
午前9時。徳島駅前から車で5分程度の 佐古 というところにある「斎藤酒造場」を訪問。街中の国道沿いにある小さな酒蔵です。
ここで作っている銘柄は「御殿桜」。
吉野川の支流、清流 鮎喰(あくい)川 の伏流水を使っているそうです。仕込みが翌週から始まるタイミングで、蔵の隅々まで見せていただきました。搾りはヤブタではなく昔ながらの袋を使うふね搾りだそうです。
徳島でもなかなかお目にかかれない御殿桜。更に徳島産「LED夢酵母」を使った純米大吟醸酒、和三盆を使った梅酒、15年超熟成の古酒など、珍しいお酒を試飲させていただき、みなさんツアー本番へのエンジンがかかりました。
◎上板町 Watanabe’s
当日組と空港で合流し、いよいよここからがツアー本番です。
午前中は吉野川北岸の上板町へ。染料である「すくも」(阿波藍)から作る藍師・藍染師である渡邉健太さんが営む、藍染工房「Watanabe’s(ワタナベズ)」を訪問しました。
渡邉さんから、藍づくり・藍染の工程について詳しくお話を伺いました。
藍の栽培に約半年。そこから葉藍を乾燥後、発酵させて染料の「すくも」を作るのに3カ月以上。その すくも を使って藍を建てて(これがまた化学的な複雑な工程)、ようやく藍染を行うことができるという、気の遠くなるようなサイクルの中、いろいろ試行錯誤をされているとのこと。
寝床でお休みになっている藍はまだ発酵の初期段階で、カブトムシ飼育マット(腐葉土)のような匂い。もう少し発酵が進むと、強烈なアンモニア臭になるのだそう。
お話の後、各自ハンカチか手拭いを選んで、藍染の体験をさせていただきました。みなさんどんな模様に仕上がるか、想像力と直感を働かせて、割り箸や輪ゴムを使い布を結んだり縛ったりします。
重油のような茶色というか赤紫というか、どちらかというと陰気な色の染液に布を浸けて揉んで空気に触れさせると、次第に明るい青に発色してくるのが分かります。ただ染めの作業は、温度管理のために地中に埋まった甕に浸けるので、体勢がキツイ~
水で洗い、割り箸や輪ゴムを外して広げると、模様が出来上がっています!
いい色ですね!みんなで記念撮影して工房を後にしました。
上板町の「とば作」というセルフ讃岐うどん店でうどんを食べてから上板町から上勝町に移動しました。
◎RISE & WIN BREWING
上勝最初の訪問場所は、移住コーディネーター兼女優の齋藤真弓さん(まゆみちゃん)との待ち合わせを兼ねて、個性的な建築のマイクロブリュワリー「RISE & WIN」で早速燃料を補給します。
スタッフの池添さんより、上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みの話から始まり、素敵な建物の建築資材やビールの副原料、リターナブルボトルでの量り売りなどひとつひとつが、ゴミを出さないというゼロ・ウェイスト理念の実践であることをお話いただきました。上勝スピリットが加味されて、ビールがより美味しく感じられたことでしょう。
◎葉っぱビジネスのおばあちゃん
燃料が補給できたところで、葉っぱビジネス「いろどり」界のアイドル 西蔭幸代 さん(ゆきちゃん) のお宅を訪問しました。
80歳を超えても若々しい声と愛らしい笑顔、何が儲かるといったリアルな話や、徳島市内まで車を運転して行ってしまうというアクティブさに、みなさん心を鷲掴みにされていました。
受注のチャンスを秒単位でも逃さないよう、PCとタブレットのデュアルデバイスを駆使しているんだとか。今回は残念ながら訪問時間の関係(早押しの注文が流れてくるのが朝8時と10時)で、実際に受注するところを見ることはできませんでしたが、100歳までは現役でやられるということなので、まだまだ機会はあります。また逢いに行きますね!
◎地元の方を交えた大宴会
おばあちゃんにさよならした後は、月が谷温泉 月の宿 のお風呂で汗を流して、いよいよ あうたびのメインイベント、地元の方を交えた大宴会です。場所は阿波尾鶏の養鶏農家さんの岸さんが営む「農家民宿 山挨(やまあい)」に併設された宴会場「とっとや」。
引き続き女優のまゆみちゃんのほか、2日目にお世話になる武市卓也さん(たくちゃん)、阿部正臣さん(あべちゃん)、キャンプ場 パンゲアフィールドの野々山さん(ノックさん)、柿本さん(かっきー)、移住体験中のよしやくん(よっしー)にもご参加いただき、阿波尾鶏、猪肉、鹿肉のコラボ鍋と、徳島の地酒(御殿桜、三芳菊、今小町、芳水)、RISE & WIN の生ビール、阿波晩茶酎(吉本醸造)、上勝を代表する柑橘三兄弟 すだち、ゆず、ゆこう の風味比べなど、徳島ならでは、上勝ならではの宴会となりました。
お腹が満たされたところで、どこからともなく阿波踊りの音楽が流れだし、あべちゃんの踊り方レクチャーとたくちゃんのリードに従って、全員参加型阿呆になり、阿波踊り~。
せっかく温泉で汗を流したのに、大汗をかくほど踊りに熱中しました。
そして とっとや に来たらやはりコレ、大カラオケ大会♪
最初マイクの調子が悪くハウリングが酷いため、歌い手だけ外に出て歌うという新ジャンルの「孤独のアウトドアカラオケ」が誕生したのでした。(笑)
途中チークタイムやコスプレタイムを挟み、結局散会したのは午前2時前。。。
■2日目
おはようございます。朝からみなさん元気です。
7時半からの朝食の後、民宿のおかあさんに鶏舎に連れて行ってもらい、阿波尾鶏のヒヨコを見せていただきました。ピヨピヨちょろちょろかわいい!つい先日孵化して到着したばかりの6000羽。約85日ここで育てて若鶏に育ったところで出荷するそうです。
突然の訪問で驚かせちゃったようで、殺到して柵が倒れ、何羽か柵の外に脱走してしまっていました。ゴメンナサイ。。。
◎ヤッホー体験
午前9時、ついさっきまで一緒にカラオケで盛り上がっていたカリスマヤッホー認定士のたくちゃんと再度合流し、ヤッホーポイントに向かいます。
まずは発声練習。前夜のカラオケで声を出す準備はできていますね。
次にヤッホーの基本姿勢を教えてもらい、エアヤッホー2回のあと、90度体を捻って切れ良く「ヤホッ!」
・・ ヤホ ・・ ャォ ・・ ォ ・・
山びこが何度も返ってくるのがはっきり分かります。この日は風も弱く、山びこダムびこがはっきり聞こえて、絶好のヤッホー日和でした。
ヤッホーだけでなく、ほら吹きも指導してくれます。最初はスースー空気音しか出なかったのが、だんだんブォーッと音が出るようになってきます。
ほら吹き検定の資格試験もあるそうで、10回中8回以上キッチリ音が出れば1級だそうです。
正式な検定試験は複数人の審査員が旗を持って厳正に判定するものですが、今回は審査員たくちゃん1人での疑似検定をやってくれました。
全員やる訳にもいかないので、たくちゃんが2人を指名。するとその2名がともに暫定1級を獲得!素晴らしい成績でした。ご褒美に、金の法螺を吹く権利を獲得~
カリスマ指導によるヤッホー体験、自然の中で大声を出してスッキリするというだけではありません。参加者同士で楽しくロールプレイを行うことで、心身ともにみんなの距離を近づけてくれるんです。
プレイシナリオには「健全育成コース」と「アダルトコース」があり、参加者の総意で選べるのですが、あうたびで健全育成という選択肢はありませんので、当然「アダルトコース」を選択。ペアで湖に向かって「好きっ」と叫んだり、手を取り合ってダンスしたり。
ちなみにここのヤッホーポイント名は「男と女のラブゲームポイント」。
なお、「ペア」は人数具合によって男女ペアに限りませんのであしからず。。。
たくちゃんの無限の引き出し(4次元ポケットか!?) からまだまだ出てきそうなのですが、今日はこの辺で。
◎あべちゃんの農園訪問
続いて旭という地区で有機農業をさているあべちゃんの農園(テンネンアマル)を訪問。
個人・飲食店向けの少量多品種栽培なので、葉物だけでも少しずつ時期をずらして年間30回も植え付け/収穫するのだそう。山に囲まれ、育ち放題の杉の木が日照を遮るので、特に秋冬は使える畑が限られることもあり、ものすごい計画性を持って農業をされているのだろうなぁ、と感心することしきりでした。
畑に植わった小松菜やワサビ菜を採ってそのままウサギのように試食。それから、小さめのカブを土から掘り出し、谷川で洗ってまるごといただきます。
甘い!ちょっと辛い!美味しい!
美味しいだけでなく栄養価も高いんです。
「条件的に厳しい上勝で有機農業をやって、ちゃんと暮らしていけることを証明したい」と熱い想いを聞かせていただきました。
「町に住む子・孫に野菜を送ってくれる、田舎のじいちゃんになりたい」とも。
あべちゃん、ありがとうございました!
◎湯ったり神田茶屋
お昼は上勝随一の癒しどころ、上勝晩茶発祥の地ともいわれる神田(じでん)にある、湯ったり神田茶屋。
ここは地元のじいちゃんばあちゃんかあちゃんが当番でお店を切り盛りしています。
うどんや地元産の棚田米と古代米のおにぎり、焼き餅など素朴なメニューが並びます。またミニ釣り堀でアメゴ(アマゴ)を自分で釣って、塩焼きにしてもらえます。
ここでは弊社代表の唐沢が今年2月の訪問以来ずっと会いたがっていた「はるちゃん」にお会いすることができました。
みんなで はるちゃん を囲んでお昼ご飯を食べながら、晩茶の製法を教わりました。夏の茶摘み~晩茶作りの時期はとにかく人手が欲しい、ということで、来年はその時期にお手伝いを兼ねた晩茶作り体験ツアーも企画したいなぁ。
◎いろどり橋
最後に清流勝浦川にかかるちょっと怖いつり橋「いろどり橋」を渡り、記念撮影。
まだまだ上勝で過ごしたいと後ろ髪をひかれつつ、空港に向かいました。
どこに行っても温かく受け入れてくださった上勝のみなさん、ありがとうございました!
今回もようけ人に出会うて、盛り沢山過ぎて書ききれんことがあるんやけんど、また徳島ツアー企画するけん、実際に行って体感してみてよ~
ほなな!
あうたび 齋藤マサ
※「あうたび半熟ツアー」とは
通常の「あうたびツアー」は、その地域へ実際に足を運んで取材・打合せ(飲み合わせ)を行い、地元の人と信頼関係を構築して初めて実現できているものばかり。しかし、いろんな地域へ取材に行くのにスタッフだけではもったいない。取材そのものをツアーにしてはどうか、という発想で始めたのが「あうたび半熟ツアー」。その名の通り、固まっていない半熟状態ですが、その代わり費用は割安。ツアー中に会った人からの情報や参加者の希望によって行き先が変わることも!?何が起こるかお楽しみに~という内容です。