【2月18日】創業300年酒蔵の杜氏と南魚沼の伝統文化に触れる旅

あうたび代表の唐沢です。
今回は、豪雪地として知られる新潟県南魚沼市にある創業300年青木酒造の杜氏さんに会いに行く旅です。日本酒好きの間で知る人ぞ知る銘酒「鶴齢(かくれい)」を醸している酒蔵です。杜氏さんの案内で最盛期の酒蔵内を見学、夜は杜氏さんを囲んでの懇親会。ツアーとちょうど同じ日に開催される幻想的な地元の雪まつり「しおざわ雪譜まつり」、国指定重要無形文化財「越後上布(えちごじょうふ)」の「雪晒し(ゆきさらし)」などを体験する内容盛りだくさんの企画です。

※今回お邪魔する青木酒造は、通常一般の方の見学は行っておりません。特別に見学をさせていただく関係でツアーの参加は最大6名様までとさせていただきます。

<こんな方にオススメです>
日本の伝統文化である酒造りについて深く知りたい方。
これから日本酒について勉強したい方。
地域のお祭や伝統工芸に興味のある方。
織物に興味のある方。

人気の銘酒「鶴齢」を醸している杜氏さんと交流できる滅多にない機会です。南魚沼の冬の魅力満載で皆様のご参加をお待ちしております。お一人様での参加も大歓迎です。あうたびは、人に会いに行く事をテーマにその土地ならではの体験や田舎料理、地酒を楽しむ旅です。

【酒は奥が深すぎます】青木酒造 杜氏 今井隆博さん

今井隆博 杜氏
今井隆博 杜氏

「一人前の杜氏になるには、30年は必要ですね。酒造りは奥が深すぎます。」そう話すのは、新潟県南魚沼市にある青木酒造の今井隆博 杜氏。青木酒造は、1717年から続く老舗酒蔵で今年で創業300年を迎えます。

新潟のお酒は、淡麗辛口と表現されますが、青木酒造のお酒は淡麗でありながらお米の旨味をしっかり感じられる淡麗旨口。代表銘柄の鶴齢という名前は、「北越雪譜(ほくえつせっぷ)」で知られている江戸時代の随筆家「鈴木牧之(すずき・ぼくし)」が命名したそうです。そんな歴史ある酒蔵の今井杜氏に色々とお話しを伺いました。

『杜氏について』
日本酒の醸造方法とその管理方法は、世界でも類を見ないほど複雑にして精巧です。この技術を継承してきたのが杜氏であり、現在では酒造りを行う技術者を酒造技能者と呼び、酒蔵の長を杜氏、その他の技術者を蔵人と総称して区別しています。杜氏は、酒造りの責任の他、蔵人を総括し蔵内酒造現場の管理も行っています。杜氏とは全ての酒造技術面のエキスパートであるばかりでなく、統率力、判断力、管理能力にひいでた人格者、ジェネラリストであることが要求されるため、蔵人になれば、誰もが杜氏になれるとは限りません。(引用:日本酒サービス研究所)

中学生の頃から職人になりたかった

青木酒造の店舗(牧之通り)
青木酒造の店舗(牧之通り)

新潟県南魚沼郡塩沢町(現・南魚沼市塩沢)で姉と妹の三人兄弟で育った今井さん。中学生の頃から高校を卒業したら大工さんや左官屋さんのような職人になることが夢でした。高校生の時にたまたま近所の知り合いが、青木酒造の卸問屋で働いていたのがきっかけで青木酒造でアルバイトを始めました。

夢である職人の仕事とは少し違いましたが、卒業するとそのまま青木酒造に就職。しばらくの間、お酒を販売する営業として働いていました。当時の青木酒造は、地元を中心にお酒を製造販売している会社で決して大きな酒蔵ではなかったそうです。

杜氏制度の崩壊

三国街道塩沢宿牧之通り
三国街道塩沢宿牧之通り

今井さんが青木酒造に入社して17年が過ぎた頃、日本の多くの酒蔵で杜氏集団による酒造り(杜氏制度)の崩壊が始まりました。もともと杜氏集団は、農漁村の人達が冬場の現金収入を得るために出稼ぎとして酒造り職人をしていました。

日本の近代化が進む中で、厳しい冬場に故郷を離れて酒造りをするより地元の工場などで働く方が遥かに楽だということで酒造り職人になる人は年々減少。また、既存の職人達も高齢化が進み出稼ぎによる酒造りから通年雇用の社員による酒造りへと時代は変わって行きました。

そのような時代背景もあり、いよいよ念願の職人になるため酒造りの道へ進むこととなったのは、今井さんが35歳の秋でした。職人の仕事はとにかく見て覚えるしか無く、できないと怒られ遅くてもまた怒られるという事の繰り返しだったそうです。

『杜氏集団』
統率された出稼ぎ酒造技師集団を杜氏集団と呼ぶ。有力な杜氏集団としては丹波、但馬、能登、越後、南部など全国に約30の杜氏集団が記録に残る。

酒蔵の最高責任者「杜氏」就任

蔵人に指示を出す今井杜氏
蔵人に指示を出す今井杜氏

前任の杜氏さんは、30年かけて酒造りを学んだそうです。その杜氏さんから「お前は10年で覚えろ」と言われて無我夢中で酒造りを勉強してきました。さすがに10年で杜氏の仕事を覚えるのは厳しく、酒造りを学んで18年目で杜氏に就任。何代目の杜氏かはハッキリとわからないそうですが、青木酒造の社長は12代目だそうです。

毎年、米の出来も違えば、気候も異なる。データやマニュアルは一切持たず「自分の目で見て判断することの大切さ」を日々蔵人達に伝えています。マニュアルが無いと何もできない蔵人になって欲しくないとの願いからだそうです。

酒造りに携わって24年「まだまだわからない事が多い。今年の米は、今までで一番難しい米だった。」と話す今井杜氏。また飲みたくなる酒を目指し一切手を抜かず、労も厭わず小さい仕込みに想いを込める。

【青木酒造・今井杜氏のこだわり】
1、米と水の温度を合わせて仕込むことで、米のストレスを極限まで減らす。
2、全ての作業は人の都合ではなく、酒の都合に合わせる。
3、巻機山の伏流水と契約農家の契約田んぼの指定米を使用。

毎年8月から翌年6月まで8500俵35種類の酒を11人で造っています。

取材を終えて

今井杜氏(右)あうたび唐沢(左)
今井杜氏(右)あうたび 代表唐沢(左)

初めて青木酒造さんへお邪魔した時の印象は、とにかく皆さん元気が良いな〜。「こんにちは!」見学の要所要所で蔵人の方が手を休めて気持ち良く挨拶してくれます。そんな明るく元気な蔵の雰囲気から、ここの酒が美味いのもすぐに納得。やはり良い仕事をしているか否かは、そこで働いている人の態度や職場の雰囲気に表れるものです。

最高責任者である今井杜氏が特に大切にしているのは人と人の和合。「杜氏だからって怖い顔をしていたら若い人たちはついて来ないよ。」と優しい笑顔で話す今井杜氏の流儀は、『蔵内は全員呼び捨て禁止』『自分だけで決めず皆で相談をする』『お昼ご飯も休憩も皆が揃うまで待つ』『全員禁煙』。そんな厳しくも優しい杜氏の下、皆さん仲が良く、お酒の話でいつも盛り上がっているそうです。

青木酒造のホームページにも「杜氏や蔵人、酒米を栽培する農家の人々ら『造り手』、酒屋や料理店などの『売り手』、鶴齢を愛飲してやまない『呑み手』による和合によって、良い酒は生まれると考えている」とあります。

今井杜氏に一番好きなお酒とおつまみをお伺いしたところ、「鶴齢本醸造(熱燗)と我が家の煮物」だそうです。これからも今井杜氏の醸すお酒に期待しています。

【今回の内容】

創業300年の鶴齢 醸造元 青木酒造
「我住む魚沼郡は日本第一に雪の深く降る所なり『北越雪譜より』」魚沼出身の随筆家・鈴木牧之の故郷として知られる塩沢に今年で創業300年を迎える青木酒造はあります。今井杜氏の案内で蔵の中を見学し、お酒について色々とお話しをしていただきます。※通常一般の方の酒蔵見学は行っておりません。

今井杜氏と懇親会
塩沢から車で山を登ること20分のところにある、栃窪温泉「銀峰閣月乃湯」で今井杜氏をお招きして懇親会。鶴齢の飲み比べ(銘柄は杜氏おすすめのものをご用意)や美味しいお酒の飲み方、酒造りへのこだわり、ここだけの話など、今井杜氏と一緒に楽しい夜をお過ごし下さい。また、栃窪温泉は塩沢駅周辺に比べて標高が高く、さらなる豪雪を体験していただきます。
夕食は、地元南魚沼で採れた野菜などを中心とした田舎料理となります。
※宿までは民宿の車で送迎してもらいます。

しおざわ雪譜まつり
酒蔵見学の後は、「しおざわ雪譜まつり」を見学します。江戸時代のベストセラー作家、文人「鈴木牧之(すずきぼくし)」を偲び、顕彰するために行われる冬の幻想的な祭りです。中でも「地歌舞伎」公演をはじめ、日本では新潟の魚沼と高知県の一部にしかいない里山伏が執り行う「百八灯の大護摩」、塩沢織物の展示、福餅まきといった、郷土の歴史と文化が薫る催しです。(参考:南魚沼市役所)

この時期は、「ひな雪見かざり」が開催されており、江戸時代から平成までの古今さまざまな雛人形を牧之通りを中心に各商店や民家約50数軒で見ることができます。また、牧之通りにあるオーギヤカフェ(Ohgiya Cafe)では、鶴齢の飲み比べや美味しい塩ワッフルなどが楽しめます。実はこちらのカフェ、青木酒造の社長の弟さんが経営されています。

しおざわ雪譜まつり
しおざわ雪譜まつり

雪国と織物
塩沢で織物が栄えたのは、半年間も雪に閉ざされる農家の主婦が冬場にできる生業として最適だったこと、長い冬を黙々と耐え忍ぶ生活習慣による越後人特有の我慢強い性格、手先の器用さなどが理由といわれています。他にも麻の原料となる苧麻(ちょま)の栽培に適していること、織物に適した湿度などがあげられます。

今回の旅では、創業1913年(大正2年)の塩沢織物のメーカー やまだ織株式会社の専務の山田千晴さんを訪ねます。こちらでは日本で一番最初に重要無形文化財に指定された織物『越後上布』の技術を継承して『本塩沢』『塩沢紬』『平塩沢』『夏塩沢』などの絹織物を製造販売しています。機織り機が置かれた店内では、塩沢の着物や帯の生地で作ったカード入れやバッグ、ボトルバッグなどを販売しています。

雪晒し(ゆきさらし)
国指定重要無形文化財にして、ユネスコ無形文化財でもある日本を代表する織物「越後上布(えちごじょうふ)」の雪晒しを特別に見学させていただきます。通常は3月の晴れた日に行うもので、オゾンの力で漂白する事などが目的です。
※今回は特別にお願いをして見学をさせていただきます。

当日、雪が降っている場合、雪晒しを行うことができません。その時は雪晒しを行う中田屋織物の中島清志氏(黄綬褒章受章者)のお話を伺います。雪晒しをするようになった経緯、方法、効用、苦労話などお話いただきます。

<越後上布の製法基準>
(一)すべて苧麻(ちょま)を手積みした本製糸を使用する事
(二)絣模様をつける場合は手くびりによる事
(三)いざり機で織る事
(四)しぼ取りをする場合は湯揉み、足踏による事
(五)さらしは雪晒し(ゆきさらし)による事

雪晒し
雪晒し

味噌なめたか関興寺
「関興寺の味噌は大切な経典を守った有難い味噌。ましてやその味噌の中に600巻もの経典が埋められたならばさぞかし関興寺の味噌には経典のご利益・功徳があるに違いない」とその味噌を分けて下さいと関興寺に参拝する者があとを絶ちませんでした。

以来、「人々の間でこの味噌をいただくものは大般若経典のご利益にあずかり福徳が授かることができる」と世の人々に言いはやされるようになり「関興寺に参拝したならば、お味噌を頂かなければ何のためにお参りしたか甲斐がない」「関興寺にお参りして有難い味噌を頂きましたか?」の問いかけの言葉として「関興寺の味噌なめたか」の言葉が後世の人々に言い伝えられるようになりました。

「味噌なめたか」関興寺
「味噌なめたか」関興寺

オススメの逸品
お土産を買うなら何と言っても「鶴齢の地酒ケーキ」がおすすめです。鶴齢の大吟醸をたっぷりと使用したケーキで、超キメの細かい生地にたっぷりと大吟醸シロップが染み込んでいます。極上のフワフワ食感を楽しめます。青木酒造とお菓子のアオキが真剣にタッグを組んで作っただけの事はあります。

また、鶴齢をお土産に買って帰りたい方も多いと思います。青木酒造の直売所でも一部販売していますが、地元の金沢屋さんに是非足を運んで見て下さい。昔造り酒屋だったそうですが、今は酒屋さんとして営業されています。各種鶴齢の他にも牧之、雪男、梅酒など青木酒造の商品が豊富に揃っています。東京で買えない限定商品も置いてありますよ!

<企画詳細>

参加料金モニター価格 20,000円(税込)
料金に含まれるもの宿泊代金、食事代金(朝1回、昼1回、夜1回)、懇親会時のお酒、ホスト代
集合場所JR塩沢駅(上越線)
集合時間12:45
アクセス <新幹線>
東京(10:40発)→ Maxとき317号 →JR越後湯沢(11:59着/12:15発)→上越線→塩沢(12:32着)
<在来線>
大宮(09:04発)→JR高崎(10:15着/10:31発)→JR水上(11:35着/11:40発)→塩沢(12:32着)
<高速バス>
池袋(08:00)→塩沢IC(10:56着)→徒歩(20分)→ 越後湯沢(12:15発)→上越線→塩沢(12:32着)
宿泊先銀峰閣月乃湯(※男女別相部屋となります
最少催行人数4名(最大受付人数:6名)
キャンセル規定14日前以降・・料金の20%、3日前以降・・料金の50%、当日・・全額
受付締切2月13日(月)※定員になり次第、締切とさせていただきます。
備考

<スケジュール>

時 間内 容食 事
2月18日(
12:45塩沢駅集合(JR上越線)
13:00創業300年の青木酒造着。
今井杜氏の案内により蔵内を見学。
15:00牧之通り散策をお楽しみ下さい。
Ohgiya Cafeにて、シオ・ザ・ワッフルや鶴齢飲み比べが人気。
鈴木牧之記念館(入場料500円別途)の見学もオススメです。
16:00しおざわ雪譜まつりへ。
百八灯大護摩、ローソク点火など幻想的なお祭りをお楽しみ下さい。
17:45栃窪温泉「銀峰閣月乃湯」へ。
温泉に入って夕食まで休憩。
18:30今井杜氏をお招きして懇親会。地産地消の田舎料理をお楽しみ下さい。
杜氏さんオススメのお酒をお持ちいただきます。
夕食
21:00頃懇親会終了。
2月19日(
9:00朝食後、塩沢の「やまだ織」へ。朝食
午前やまだ織にて、塩沢絣についてのお話しや機織り体験など。
ご希望の方は栞やハガキ作り体験も可(※別料金)
雪晒し見学へ
※降雪の場合、雪晒しができないため中田屋織物の中島清志氏のお話を伺います。
地元名物の昼食 昼食
午後「味噌なめたか」の関興寺へご案内します。
写経(別途1,000円)、座禅、ご住職講話、抹茶など。
15:00頃塩沢駅にて解散

※時間は目安となります。内容に関しても現地事情や進捗状況により、適宜変更をさせていただく場合がございます。

今井隆博(いまい・たかひろ)杜氏
1958年4月20日 新潟県南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町)生まれ。地元の高校を卒業後、1976年4月青木酒造入社。青木酒造の卸問屋でお酒の販売に従事する。1993年10月青木酒造のお酒の製造部門へ移動。18年間酒造りについて学び、2011年7月杜氏に就任。現在6作り目。県内外の蔵とも連絡を取り情報収集も欠かさない。常にアンテナを高くし、前年より少しでも美味い酒を造ることに全力を注いでいる。

【イベント企画・お問い合わせ先】
あうたび合同会社
電話&FAX:03-6356-4461
担当:唐沢
info@autabi.com

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