今回は、紅葉のシーズンを迎える新潟県南魚沼市の創業300年青木酒造の杜氏さんを訪ねます。日本酒好きの間で知る人ぞ知る銘酒「鶴齢(かくれい)」を醸している蔵元です。杜氏さんの案内で酒蔵内を見学したら、この時期に行われる梅掘り作業(タンクから梅酒の梅を掘り出します)を体験します。夜は杜氏さんを囲んでの懇親会。翌日は、八海山で知られる八海醸造の杜氏さんと明治時代の屋敷で特別なランチタイム。日本酒ファンにはたまらない、超プレミアムな酒あうたびをお楽しみ下さい。
※今回お邪魔する青木酒造、八海醸造は、一般の方の見学は行っておりません。特別に見学をさせていただきます。
<こんな方にオススメです>
◎日本酒について深く学んでみたい方
◎他では出来ない貴重な体験をしてみたい方
◎酒蔵の杜氏さんと一緒にお酒を飲んでみたい方
◎ワンランク上の梅酒を飲みたい方
<参加者の声>
・飲んでるお酒を造った杜氏とさしでゆっくり飲める経験は普通できませんよね。
・鶴齢の蔵元に伺えたことが感動です。
・北越雪譜に描かれた世界を垣間見ることができたような気がしました。
・あの厳しい自然の中で育てられた美酒がより味わい深いものになりそうです。
・地元の方々の親切な対応に感動しました。
【酒は奥が深すぎます】青木酒造 杜氏 今井隆博さん
「一人前の杜氏になるには、30年は必要ですね。酒造りは奥が深すぎます。」そう話すのは、新潟県南魚沼市にある青木酒造の今井隆博 杜氏。青木酒造は、1717年から続く老舗酒蔵で今年で創業300年を迎えます。
新潟のお酒は、淡麗辛口と表現されますが、青木酒造のお酒は淡麗でありながらお米の旨味をしっかり感じられる淡麗旨口。代表銘柄の鶴齢という名前は、「北越雪譜(ほくえつせっぷ)」で知られている江戸時代の随筆家「鈴木牧之(すずき・ぼくし)」が命名したそうです。そんな歴史ある酒蔵の今井杜氏に色々とお話しを伺いました。
『杜氏について』
日本酒の醸造方法とその管理方法は、世界でも類を見ないほど複雑にして精巧です。この技術を継承してきたのが杜氏であり、現在では酒造りを行う技術者を酒造技能者と呼び、酒蔵の長を杜氏、その他の技術者を蔵人と総称して区別しています。杜氏は、酒造りの責任の他、蔵人を総括し蔵内酒造現場の管理も行っています。杜氏とは全ての酒造技術面のエキスパートであるばかりでなく、統率力、判断力、管理能力にひいでた人格者、ジェネラリストであることが要求されるため、蔵人になれば、誰もが杜氏になれるとは限りません。(引用:日本酒サービス研究所)
中学生の頃から職人になりたかった
新潟県南魚沼郡塩沢町(現・南魚沼市塩沢)で姉と妹の三人兄弟で育った今井さん。中学生の頃から高校を卒業したら大工さんや左官屋さんのような職人になることが夢でした。高校生の時にたまたま近所の知り合いが、青木酒造の卸問屋で働いていたのがきっかけで青木酒造でアルバイトを始めました。
夢である職人の仕事とは少し違いましたが、卒業するとそのまま青木酒造に就職。しばらくの間、お酒を販売する営業として働いていました。当時の青木酒造は、地元を中心にお酒を製造販売している会社で決して大きな酒蔵ではなかったそうです。
杜氏制度の崩壊
今井さんが青木酒造に入社して17年が過ぎた頃、日本の多くの酒蔵で杜氏集団による酒造り(杜氏制度)の崩壊が始まりました。もともと杜氏集団は、農漁村の人達が冬場の現金収入を得るために出稼ぎとして酒造り職人をしていました。
日本の近代化が進む中で、厳しい冬場に故郷を離れて酒造りをするより地元の工場などで働く方が遥かに楽だということで酒造り職人になる人は年々減少。また、既存の職人達も高齢化が進み出稼ぎによる酒造りから通年雇用の社員による酒造りへと時代は変わって行きました。
そのような時代背景もあり、いよいよ念願の職人になるため酒造りの道へ進むこととなったのは、今井さんが35歳の秋でした。職人の仕事はとにかく見て覚えるしか無く、できないと怒られ遅くてもまた怒られるという事の繰り返しだったそうです。
『杜氏集団』
統率された出稼ぎ酒造技師集団を杜氏集団と呼ぶ。有力な杜氏集団としては丹波、但馬、能登、越後、南部など全国に約30の杜氏集団が記録に残る。
酒蔵の最高責任者「杜氏」就任
前任の杜氏さんは、30年かけて酒造りを学んだそうです。その杜氏さんから「お前は10年で覚えろ」と言われて無我夢中で酒造りを勉強してきました。さすがに10年で杜氏の仕事を覚えるのは厳しく、酒造りを学んで18年目で杜氏に就任。何代目の杜氏かはハッキリとわからないそうですが、青木酒造の社長は12代目だそうです。
毎年、米の出来も違えば、気候も異なる。データやマニュアルは一切持たず「自分の目で見て判断することの大切さ」を日々蔵人達に伝えています。マニュアルが無いと何もできない蔵人になって欲しくないとの願いからだそうです。
酒造りに携わって24年「まだまだわからない事が多い。今年の米は、今までで一番難しい米だった。」と話す今井杜氏。また飲みたくなる酒を目指し一切手を抜かず、労も厭わず小さい仕込みに想いを込める。
【青木酒造・今井杜氏のこだわり】
1、米と水の温度を合わせて仕込むことで、米のストレスを極限まで減らす。
2、全ての作業は人の都合ではなく、酒の都合に合わせる。
3、巻機山(まきはたやま)の伏流水と契約農家の契約田んぼの指定米を使用。
毎年8月から翌年6月まで8500俵35種類の酒を11人で造っています。
取材を終えて
初めて青木酒造さんへお邪魔した時の印象は、とにかく皆さん元気が良いな〜。「こんにちは!」見学の要所要所で蔵人の方が手を休めて気持ち良く挨拶してくれます。そんな明るく元気な蔵の雰囲気から、ここの酒が美味いのもすぐに納得。やはり良い仕事をしているか否かは、そこで働いている人の態度や職場の雰囲気に表れるものです。
最高責任者である今井杜氏が特に大切にしているのは人と人の和合。「杜氏だからって怖い顔をしていたら若い人たちはついて来ないよ。」と優しい笑顔で話す今井杜氏の流儀は、『蔵内は全員呼び捨て禁止』『自分だけで決めず皆で相談をする』『お昼ご飯も休憩も皆が揃うまで待つ』『全員禁煙』。そんな厳しくも優しい杜氏の下、皆さん仲が良く、お酒の話でいつも盛り上がっているそうです。
青木酒造のホームページにも「杜氏や蔵人、酒米を栽培する農家の人々ら『造り手』、酒屋や料理店などの『売り手』、鶴齢を愛飲してやまない『呑み手』による和合によって、良い酒は生まれると考えている」とあります。
今井杜氏に一番好きなお酒とおつまみをお伺いしたところ、「鶴齢本醸造(熱燗)と我が家の煮物」だそうです。これからも今井杜氏の醸すお酒に期待しています。
【今回の内容】
創業300年の鶴齢 醸造元 青木酒造
「我住む魚沼郡は日本第一に雪の深く降る所なり『北越雪譜より』」魚沼出身の随筆家・鈴木牧之の故郷として知られる塩沢に今年で創業300年を迎える青木酒造はあります。今井杜氏の案内で蔵の中を見学し、お酒について色々とお話しをしていただきます。※一般の方の酒蔵見学は行っておりません。
梅掘り作業体験
鶴齢の梅酒は、梅の産地として知られる名立産と田上産の特産「越の梅」を使用しています。鶴齢の純米吟醸の原酒で仕込んでいるので、氷砂糖の使用は最低限に抑えられ身体に優しく、べたつかない上品な甘さの梅酒に仕上がっています。梅の爽やかな香が口の中に広がり、今までに飲んだ事の無いスッキリとした味わいのワンランク上の梅酒です。
【鶴齢の梅酒】
自然あふれる南魚沼の地酒から、優しい甘味の梅酒ができました。蔵人は長い冬の仕事を終え、春を迎えると田植の準備が始まります。そして田んぼの作業も一息ついた6月には梅の収穫期を迎えます。鶴齢蔵元の厨には昔から梅酒がありました。蔵人が収穫したこの梅を鶴齢の原酒を使い梅酒にしていたのです。姉様(蔵元婦人)、若女将は、この梅酒を日々楽しみ、蔵に迎えたお客様にも楽しんでいただいておりました。
今回は、その梅酒造りの最後に行われる、梅掘り作業を体験していただきます。梅酒を漬けたタンク(7,000リットル級)に入って、梅を取り出す作業です。かなりの重労働ですが、鶴齢の梅酒がどのように造られているのか、是非ご自身で体感して下さい。今井杜氏から梅酒造りについても、色々とお話いただきます。
今井杜氏と懇親会
「こんな贅沢な時間は他ではありえません。」「作り手のお話しを聴きながら飲む酒は最高でした。」前回のあうたびでは皆さんからそんな好評をいただいた今井杜氏を囲んでの懇親会。今井杜氏が自らご持参いただいた自慢の酒をたっぷりと楽しみます。前回は、山田錦の純米大吟醸をはじめ、地元限定の鶴齢、美山錦、五百万石などを楽しみました。今回も鶴齢の飲み比べ(銘柄は杜氏おすすめのものをご用意)や鶴齢の梅酒、美味しいお酒の飲み方、酒造りへのこだわりなど、今井杜氏と一緒に楽しい夜をお過ごし下さい。夕食は、地元南魚沼で採れた野菜や魚などを中心とした田舎料理となります。
栃窪温泉 銀峰閣月乃湯
今回もお世話になるのは、塩沢市内から車で15分程山の中へ入った栃窪地区にある銀峰閣月乃湯さん。ご主人の笛木さんとそのご家族が切り盛りする温泉民宿です。宿泊客にはリピーターも多く、冬場はスキー客で賑わいます。こちらの宿に今井杜氏をお招きして、大広間で懇親会を行います。温泉や地元の田舎料理を楽しめる心温まる素敵な宿で、笛木さん一家の優しい人柄に心が癒やされます。また、提供される料理の味とボリュームには、皆さん驚かされます。
八海山 蔵元 八海醸造
鶴齢を満喫した翌日は、南魚沼を代表するもう一つの蔵元 八海醸造を訪ねます。言わずと知れた八海山で有名な蔵元です。今回は、特別に酒造り歴45年の南雲重光 杜氏(常務取締役)により、酒蔵や雪室、その他の魚沼の里の施設をご案内いただきます。※一般の方の酒蔵見学は行っておりません。
■八海醸造 南雲重光 杜氏
明治時代のお屋敷で懇親会
昼食は、完全予約制の郷土料理店「欅苑(ケヤキエン)」にて、南雲杜氏に解説をいただきながら八海山を味わい、美味しい地元の郷土料理を楽しみます。南雲杜氏から貴重なお話しを聞ける滅多にない機会ですのでお楽しみに。
欅苑詳細 食べログ|旅ぐるたび
オススメの逸品
お土産を買うなら何と言っても「鶴齢の地酒ケーキ」がおすすめです。鶴齢の大吟醸をたっぷりと使用したケーキで、超キメの細かい生地にたっぷりと大吟醸シロップが染み込んでいます。極上のフワフワ食感を楽しめます。青木酒造とお菓子のアオキが真剣にタッグを組んで作っただけの事はあります。
また、鶴齢をお土産に買って帰りたい方はこちらのお店がおすすめ。青木酒造の直売所でも一部販売していますが、地元の金沢屋さんに是非足を運んで見て下さい。昔は造り酒屋だったそうですが、今は酒屋さんとして営業されています。各種鶴齢の他にも牧之、雪男、梅酒など青木酒造の商品が豊富に揃っています。東京で買えない限定商品も置いてありますよ!
<スケジュール>
時 間 | 内 容 | 食 事 |
---|---|---|
1日目 | ||
12:45 | 塩沢駅集合(JR上越線) | |
13:00 | 創業300年の青木酒造にて ◎今井杜氏による酒造りのお話し ◎酒蔵内を隅々まで見学(今季の酒造り始まってます) ◎梅酒を漬けたタンクに入って梅掘り作業 ※汚れてもいい服装でご参加下さい。 | |
16:30 | 栃窪温泉「銀峰閣月乃湯」へ。(宿の車が迎えに来ます) 温泉に入って夕食まで休憩。 | |
18:00 | 今井杜氏をお招きして懇親会 杜氏さんおすすめのお酒をお持ちいただきます。 鶴齢の飲み比べ、地産地消の田舎料理をお楽しみ下さい。 どんなお酒が飲めるのか楽しみです。 | 夕食 |
21:00頃 | 懇親会終了。 | |
2日目 | ||
07:30 | 地元の食材を使った朝食。 | 朝食 |
09:30 | 八海山で知られる、八海醸造株式会社へ 特別に南雲重光 杜氏(常務取締役 )にご案内いただきます。 ◎一般には公開されていない、酒蔵内の見学 ◎魚沼の里にて雪室見学、試飲など | |
12:30 | 郷土料理店「欅苑」にて南雲杜氏を交えた懇親会 八海山を飲みながら、美味しい田舎料理お楽しみ下さい。 | 昼食 |
15:00 | 金沢屋酒店にてお土産の日本酒購入(各自) | |
16:00頃 | 塩沢駅で解散 |
※時間は目安となります。内容に関しても現地事情や進捗状況により、適宜変更をさせていただく場合がございます。
旅行代金(目安) | 23,000円(過去のあうたびご参加の方、21,000円) |
---|---|
料金に含まれるもの | 宿泊代金、食事代金(朝1回、昼1回、夜1回)、懇親会時のお酒、各ホスト代 |
集合場所 | JR塩沢駅(上越線) |
集合時間 | 12:45 |
アクセス | <新幹線> 東京(10:40発)→ Maxとき317号 →JR越後湯沢(11:59着/12:15発)→上越線→塩沢(12:32着) <在来線> 大宮(09:04発)→JR高崎(10:15着/10:31発)→JR水上(11:35着/11:40発)→塩沢(12:32着) <高速バス> 池袋(08:00)→塩沢IC(10:56着)→徒歩(20分)→ 越後湯沢(12:15発)→上越線→塩沢(12:32着) |
宿泊先 | 銀峰閣月乃湯(※男女別相部屋となります) |
最少催行人数 | 4名(最大受付人数:7名) ※地元の方や参加者同士の交流を深めていただくため、参加人数を少なく設定しております。 |
キャンセル規定 | 14日前以降・・料金の20%、3日前以降・・料金の50%、当日・・全額 |
受付締切 | 催行日の20日前※定員になり次第、締切とさせていただきます。 |
備考 |
今井隆博(いまい・たかひろ)杜氏
1958年4月20日 新潟県南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町)生まれ。地元の高校を卒業後、1976年4月青木酒造入社。青木酒造の卸問屋でお酒の販売に従事する。1993年10月青木酒造のお酒の製造部門へ移動。18年間酒造りについて学び、2011年7月杜氏に就任。現在7作り目。県内外の蔵とも連絡を取り情報収集も欠かさない。常にアンテナを高くし、前年より少しでも美味い酒を造ることに全力を注いでいる。
【旅行企画・実施】
あうたび合同会社
〒115-0045 東京都北区赤羽1-59-9ネスト赤羽
電話&FAX:03-6356-4461
担当:唐沢
info@autabi.com