雪国の恵みを活かし民宿とジビエで地域おこしに挑む女性起業家

農家民宿茅屋や 雪国Base 代表 高橋美佐子さん

涼しい顔で自ら捕らえた獲物を解体する女性に出会った。農家民宿を営む傍ら、狩猟免許の取得だけでなく食肉処理施設までオープンさせたと言うから驚く。この食肉処理の施設が全国的に少なく、駆除された動物たちの大半が土に埋められいると聞いたことがある。

彼女のおかげで、この地域で駆除された動物たちは、貴重なジビエとして流通されている。毎晩晩酌を楽しむ大の酒好き、話好きの美佐子さんからお話を伺いました。

あうたビトストーリー

1972年生まれ。十日町の高校を卒業後、テレビドラマに憧れ東京のホテルへ就職。30代の時に食品の卸会社へ転職し、仕入れのため全国を旅するようになりました。東日本大震災をきっかけに仕事やこれからの人生を考えるようになり、これまでの職歴を活かして農家民宿をやりたいと思うようになりました。

離れて暮らす親のこともあり十日町に戻ろうと考えましたが、仕事がすぐに見つかるか不安がありました。そんな時、十日町市が地域おこし協力隊を募集しているのを見つけて応募。

協力隊として採用され活動する中で、この地域でも少なくなった茅葺き屋根の古民家に出会い、大きさもちょうど良く思い描いた民宿をやるにはぴったりだと思いました。

ある日、この家に住んでいたお年寄りが家を離れるという話を聞き、こんなチャンスはないと思い「壊さないで譲ってください!」と猛アタックの末、譲り受けることになりました。

それから地元の大工さんやたくさんの仲間の力を借りて、リフォームを行い2016年1月に茅葺屋根と囲炉裏がある農家民宿茅屋やをオープンしました。

山の中の宿なので、山の幸やジビエを出したいと考えましたが、地元でジビエを扱っている業者はありませんでした。それなら自分で作れば良いとまずは狩猟免許を取得。その後、ジビエで有名な長野県や県内の加工所を視察。2017年12月に念願の食肉処理・加工施設「雪国Base」を開業しました。雪国Baseでは、地元猟友会の先輩や自らが仕留めた野生鳥獣の加工と販売を行なっています。

雪国Baseのアイデアは、新潟県十日町市が主催するビジネスコンテスト「トオコン2017」にて「『雪国base』基地の建設~地元雪国十日町の美味しい自然を知る、食べる。」と題したプレゼンテーションを行い、最優秀賞、第二創業・経験者部門賞、オーディエンス賞を受賞した。

狩猟で獲った肉は民宿で提供するほか、飲食店にも卸している。命は無駄にしないように隣町の精肉店と協力し、ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工品や犬用のおやつなどにしてネット販売を行なっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次